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約数の系統的な構造を示すグラフ(亀井図)

■まず210の約数の構造を例に,亀井図の性質を調べてみましょう.
210の約数の系統的な構造は,4次元の超立方体と同じ構造です.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


210は4つの互いに素な素数の積210=2・3・5・7から出来ているので,4次元超立方体と同じ構造です.
頂点1のレベルには1個,頂点2のレベルには,4つの素数で4個.頂点6のレベルには,2つの素数の積で,4C2=6個.頂点30のレベルには,3つの素数の積で,4C3=4個.頂点210のレベルは,4つの素数の積で,1個です.4次元の超立方体には対象心があり,互いに点対称な頂点の積は210になることも理解できます.
4次元の超立方体の1つの次元(例えば,素数2の方向)を消すと,3次元の立方体の2つに分離します.同様なことを,それぞれの3次元立方体で考え,例えば,素数7の方向の次元を消すと,3次元の立方体は2次元の面(例えば1-3-15-5)に分離します.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このような性質を利用して,さらに高次元の6次元や7次元の超立方体を,同様に作れます.

■こんどは,5次元の超立方体を調べます.2310を素因数分解すると,2310=2・3・5・7・11ですから,2310は5次元の約数構造を持つ最小の数であるはずです.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この5次元の超立方体は,素数2の方向の次元を消し去ることで,4次元の超立方体1155と2310の2つに分離することはお判りでしょう.
5次元空間は,1次元空間と互いに直交する4次元空間の直積で表現できるからです.
あるいは,互いに直交する2次元空間と3次元空間の直積ともみなすことができます.
例えば,2次元空間の代表を1-2-6-3とし,3次元空間の代表を385とすると,
385,770,2310,1155 の4つの3次元の立方体を見ることができるでしょう.

続く⇒亀井図を素数のべき乗が作る1次元格子で拡張する

 

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約数の構造を表示するグラフ(亀井図)

今日は広島原爆の日です.7月22日の数学月間懇話会では,秋葉忠利(前広島市長)さんの講演がありました.私も,秋葉さんの著書「数学書として憲法を読む」を今読んでいます.
憲法の明文規定を公理として読むと,いくつかの定理が導けるというものです.
そのような定理の1つに,改正してはいけない条項の存在があります.例えば9条や11条はそのような条項で,改正すると自己矛盾を起こします.

8月4日は,とっとりサイエンスワールドin鳥取市でした.多くの高校生,中学生ボランティアの参加がありました.全参加者は,1,086人ということです.万華鏡は5クラス実施し120人が万華鏡を作りました.

 

■約数の構造をわかり易く表示するグラフ(亀井図)について取り上げましょう.この詳細は,
亀井喜久男;1992年数理科学,1992年1月号,p68-73によります.

このようなグラフには数学のいろいろな分野で出会うことがありますから,その性質や応用をじっくり考えてみると面白いでしょう.数学月間の会でも,このようなグラフ(亀井図)について学ぶ機会を企画したいと思っています.

約数の構造に関しては,数学Aの研究課題として高校生にもなじみやすいものであるし,
高次元立体の解釈にも発展できるので興味深いものです.亀井氏は多元構造図とも呼んでいます.

 ■まず実例を示しますので慣れましょう:

(1)30の約数の構造.30=2・3・5

 

 

 

 

 

 

 

 

(2) 210の約数の構造.210=2・3・5・7

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(3) 2310の約数の構造.2310=2・3・5・7・11

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回ここで見た30,210,2310の約数の構造は,それぞれ3次元,4次元,5次元の超立方体と同じ構造のグラフとなりました.大変興味深いことです.

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277■鏡の迷路

7月28日(日)はとっとりサイエンスワールドin米子でした.891人の参加者があり,万華鏡は30人クラスを4回で120人が作りました.前日の27日(土)は米子がいな祭りで街は大変な賑わいでした.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて,米子にあるとっとり花回廊で,期間限定の鏡の迷路をやっていることを知りました.どんなものかちょっとでも見たかったので,帰りに寄ることにしました.オープンが10時で帰りのシャトルバスが10時30分ですから,歩く時間を入れると迷路に居たのは数分でした.急ぐほど迷い込んでしまいますから,速く脱出出来て良かったのですが,もう少しゆっくり楽しみたかったです.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鏡の迷路は正3角形のタイル張りの世界を鏡で作っています.セルが正3角形だと隣のセルへの通路が3つですが,どれを選ぶか迷います.もしセルが正6角形で蜂の巣様だったら通路は6つあり,ものすごく面倒な迷路になるでしょう.作ってみたいものだと思いました.2列に並んだ正6角形セルの帯の上で,1つのセルから逆戻りしない条件で,ハチが移動するとして,n番目のセルにたどり着く異なる道の数はフィボナッチ数列1,2,3,5,8,・・・で増加することが証明されています.セルの数が増えればものすごく面倒な迷路が作れるでしょう.
■肝心の万華鏡のワークショップの様子レポートは,次の写真をご覧ください.

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276■数学書として憲法を読む

本日7/22は,先の号でお知らせした数学月間懇話会を開催しました.
たいへん楽しい会で懇親会も盛り上がりました.
プログラムは以下の様でした.
1.片瀬豊さんと数学月間,谷克彦
2.教育数学と高大接続,岡本和夫
3.数学書として憲法をよむ,秋葉忠利

今回のメルマガでは3の内容の一部だけのホットな速報です.
秋葉忠利(前広島市長)氏の講演は,同名の書籍の発売に合わせタイムリーです.
都合に合わせた解釈や改憲がまかり通るようではなりません.
この時期に特に国会議員は心して読むべきでしょう.
憲法の全体は,無矛盾,自己完結するとして,文字通り憲法を公理の集まりと見て
素直に読んでみます.すると,論理的にいくつかの結論(定理)を導くことができます.
まず面白いのは,
憲法改正の手続き規定である96条の対象にならない「改正不可条項」があることが示されます.
改憲禁止の条項があるとは明示されてはいないが,論理的にそのような結論になる条文は
かなりの数(8か条)あることを論理的に導いています.改正不可能な条文もいれて,
改正の対象にならない条文は30か条を超えるそうです.また,96条は改憲のための必要条件に過ぎないそうです.
義務という言葉は素直に法的義務と読むべきなのですが,
都合の悪いところは道義的要請とよむ「憲法マジック」が通用しているそうです.
99条に対してそのような曲解がなされています.
「国民の総意」というのは大事な文言ですがその意味するところは深いですね.
多数とは違い総意なのです.ゆっくり読んでみましょう.

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275■オーボールとフラーレン

以下の写真はオーボールという赤ちゃんのおもちゃです.

球の表面は互いに接する大きい円20個と小さい円12個でできています.
円を正多角形にすれば,いわゆるサッカーボールの形で,正6角形20個と,正5角形12個です.
正12面体と正20面体は互いに双対な多面体で,
オーボールの小さい円は正12面体の面,大きい円は正20面体の面に対応しています.
オーボールの大きい円は正12面体の頂点,小さい円は正20面体の頂点になり,
両者の頂点32個でできるサッカーボールに双対な多面体は菱形30面体です.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


菱形面の対角線比は黄金比です.
さて,大きい円と小さい円の半径の比はいくらでしょうか?
(解答)これはC60(フラーレン分子)と同じ形なので,
正5角形の1辺も正6角形の1辺も同じ長さ(C-C結合のボンド長)ですから,
オーボールの大きい円と小さい円の半径の比は,
辺の長さの等しい正5角形と正6角形の外接円(あるいは内接円)の半径比となります.

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