2016年10月の記事一覧

表面だけのスカスカの立体

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数学月間SGK通信 [2016.10.11] No.136
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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表面だけのスカスカの立体は,面がシェルピンスキーのカーペットでできている
メンガーのスポンジが知られています.この図形は穴を開けるたびに,表面積は増加し,
体積は減少するので,質量はゼロで,表面積が∞の不思議な図形です.
メンガーのスポンジの次元は, 2.7268....になります.

■ここでは,正4面体から出発し似たような図形を作って見ましょう.
正8面体の4つの面に正4面体を組み合わせると,2倍の辺長の正4面体ができます.
この手順を繰り返すと,だんだん大きな正4面体ができます.
図1 http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/572283/80/17708080/img_0_m?1476098595
図2 http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/572283/80/17708080/img_1_m?1476098595
この手順を逆にしてみましょう.
正4面体体積を1とすると,正4面体の中にできる正8面体の体積は1/2です.
(Q何故でしょう?)
この正8面体をくり抜くと,正4面体が4つ残り,合計の体積は1/2.
元の正4面体の表面積と,残された4つの正4面体の表面積合計は不変です.
(Q何故でしょう?)
次に,4つの正4面体からそれぞれの正8面体をくり抜くと,
残りの体積がさらに1/2になりますが,表面積はやはり不変です.

■この操作をn回繰り返すと,体積は(1/2)^nになるが,表面積は不変です.
この調子で,無限に操作を繰り返すと,表面積はスタートの正4面体と同じだが,
質量はゼロであるようなスカスカの物体が得られます.
この図形の作り方は,メンガーのスポンジと呼ばれる図形に似ていますが,
質量はゼロになるが表面積は∞にはなりません.
この図形の次元は,2倍の長さのところに4つの1世代前の図形が入るから,
log4/log2=2 で2次元です.

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