2019年2月の記事一覧

球面正12面体の見えるメビウス万華鏡

球面正12面体像の見えるメビウス万華鏡を作って見ましょう.
まず,完成した2つの万華鏡像をご鑑賞ください.
(A)左の万華鏡像
球面正12面体の1つの面(球面正5角形)の1/10が非対称領域(万華鏡内)にある物体です.正12面体全体の1/120が非対称領域です.
(B)右の万華鏡像
球面正12面体の1つの面(球面正5角形)の1/5が非対称領域(万華鏡内)にある物体です.正12面体全体の1/60が非対称領域です.
両万華鏡ともに,球面正12面体の映像が見えますが,それぞれの球面正5角形の面の分割数を観察すると異なることがわります.左の万華鏡(A)は,右の万華鏡(B)の半分です.

       (A)                  (B)
■ メビウス万華鏡を作ろう

正12面体や球面正12面体は,正5角形(あるいは,球面正5角形)の面12枚が囲んでできる立体です.
3枚鏡の組み合わせで万華鏡を作り,正12面体や球面正12面体が見える万華鏡を作りましょう.
正12面体の点群(対称性)を生成元する3枚の鏡に,次のものを選びます.
(Aタイプ)1つの正5角形の面を10個の直角3角形に分割し,その領域を中心から見込む3角錘が作る万華鏡.
(Bタイプ)1つの正5角形の面を5つの2等辺3角形に分割し,その領域を中心から見込む3角錘が作る万華鏡.

      (A)             (B)

      (A)             (B)

作製したそれぞれの万華鏡で見られる映像を対応させて掲載します.
正12面体映像の正5角形の面を比較観察してください.
Aの映像では直角3角形10個が正5角形面を作っていますが,Bの映像では2等辺三角形5個が正5角形の面を作っているのがわかります.
■正12面体および球面正12面体の見える万華鏡(Aタイプ)の作り方

 

ミラー紙(厚さ0.25mm以上が良い)に次の展開図を描きます.青色の部分を使います(赤線に沿って光の窓を作ります).赤線の円は球面正12面体像が見える窓,赤線の直線は正12面体像が見える窓で,どちらかを選びます.辺OHがつながるように3角錐(鏡面は三角錐の内側)を組み立てます.完成した万華鏡は△KAHから覗きます.

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球面正12面体像の見える万華鏡

球面正多面体は,アラブの数学者,アブル・ワーファ(1000頃)に始まります.球面正多面体{p,q}は,球面正p角形が,頂点でq個集まっているもので,球面正p角形の内角は2π/qです(図D).球面p-多角形の辺はすべて大円です.ここで例に取り上げるのは,正12面体に相当する{5,3}多面体です.

後に,メビウスは多面体万華鏡を発明します(1850)が,これは,球面p-多角形を.2p個の球面直角3角形に分割することを使います(図A).
分割された3角形の内角は,π/p,π/q,π/2 で,このような直角3角形を(p,q,2)のように記述します
万華鏡は,3角形(赤く塗った)の各辺となる大円を鏡にすると得られます.
Aは,メビウス万華鏡になり,正5角形の面を10個の直角3角形に分割しています.Bは,正5角形の面を5個の2等辺3角形に分割しています.Bには,Aに存在した鏡映対称面が1つ消えています.Cの赤く練った正3角形の周囲の辺の大円を鏡に置き換えて万華鏡を作れば,正20面体の映像が見えます.
それぞれの映像写真はあとで追加しましょう.

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