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数学的曲面が拓くジャグリングの世界

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数学月間SGK通信 [2017.09.26] No.186
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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本日は,数学月間勉強会があります.ご興味のある方ご参加ください.
「結晶空間群で,物理と数学を学ぼう」第2回
主催●日本数学協会,数学月間の会(SGK)
日時●9月26日,14:30-17:00,(開場14:00)
会場●東京大学出版会,会議室
最寄り駅●京王井の頭線「駒場東大前」
参加費●無料
問合せ・申し込み●sgktani@gmail.com,谷克彦(SGK世話人)
数学月間勉強会の特徴は,物理と数学の両視点から数学誕生を理解できるところで,
特に初心の若い方々にもお勧めします.
第2回テーマ●「美しい多面体と点群,結晶点群の鑑賞」
(注意)東京大学出版会は,線路沿いの留学生会館の敷地内です.東大構内ではありません.
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9月23日に開催された日本数学協会,第15回年次大会で,松浦昭洋(東京電機大学)氏の,
「数学的曲面が拓くジャグリングの世界」と題する講演と見事なパフォーマンスがありました.
数学的曲面とは,球内部,シリンダー内部,円錐内部などの2次曲面や,負曲率が付随する鞍部,
懸垂曲線(円弧で近似)などで,これら色々な曲面に沿って,
面白い運動をさせるジャグリングの披露がありました.
例として,シリンダー内部の面に沿ったボールの運動を,単純化した説明しましょう.

https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/572283/88/18228588/img_1_m?1506338017

皆さん,A→Bと進んだボールの転がる方向は,次のどちらでしょうか?(1)上昇する/(2)落下する.
意外に見えるのがジャグリングの醍醐味/味噌ですよ.大雑把に言うと,
A点で速度vで転がりだした質量Mのボールは角運動量Ω=MvRをもって,
シリンダー壁に沿って楕円軌道を描きます.従って,(1)が正解です.
松浦氏の正確な計算によると,運動は単振動のようで,上下方向の振動周期はT=√14π/Ω(Ωは定数),
1周期当たりの水平方向の回転数は1.87だそうです.2回転近くするので
楕円軌道が少し崩れて8の字のような軌道を描きます.
ホールインワンで確かにカップに入ったはずのボールが上昇して外に出て来ることがあるそうです.
それはこの現象のせいです.