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276■数学書として憲法を読む

本日7/22は,先の号でお知らせした数学月間懇話会を開催しました.
たいへん楽しい会で懇親会も盛り上がりました.
プログラムは以下の様でした.
1.片瀬豊さんと数学月間,谷克彦
2.教育数学と高大接続,岡本和夫
3.数学書として憲法をよむ,秋葉忠利

今回のメルマガでは3の内容の一部だけのホットな速報です.
秋葉忠利(前広島市長)氏の講演は,同名の書籍の発売に合わせタイムリーです.
都合に合わせた解釈や改憲がまかり通るようではなりません.
この時期に特に国会議員は心して読むべきでしょう.
憲法の全体は,無矛盾,自己完結するとして,文字通り憲法を公理の集まりと見て
素直に読んでみます.すると,論理的にいくつかの結論(定理)を導くことができます.
まず面白いのは,
憲法改正の手続き規定である96条の対象にならない「改正不可条項」があることが示されます.
改憲禁止の条項があるとは明示されてはいないが,論理的にそのような結論になる条文は
かなりの数(8か条)あることを論理的に導いています.改正不可能な条文もいれて,
改正の対象にならない条文は30か条を超えるそうです.また,96条は改憲のための必要条件に過ぎないそうです.
義務という言葉は素直に法的義務と読むべきなのですが,
都合の悪いところは道義的要請とよむ「憲法マジック」が通用しているそうです.
99条に対してそのような曲解がなされています.
「国民の総意」というのは大事な文言ですがその意味するところは深いですね.
多数とは違い総意なのです.ゆっくり読んでみましょう.