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遊星歯車による減速

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数学月間SGK通信 [2016.11.22] No.142
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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ドリルが動かなくなったので,分解しました.こんな減速機構になっています.
グリスの詰め替えをしましょう.
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/572283/70/17750970/img_1_m?1478607599
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/572283/70/17750970/img_2_m?1478607599
表面に見えている3個の歯車(歯数20)の中心にモーターからの回転軸(6枚歯)が入ります.
この3個の歯車は,周囲の円(歯数48)とも接しています.
中心軸(モーターのシャフト)が右回転すると,3個の歯車は左回転し,
この3個の歯車を乗せている台は,周囲の歯に沿って右回転します.
このような機構を遊星歯車と言います.
中心の回転軸が右回りに1回転すると,台は6/48=1/8だけ右回転します.
このドリルでは,このような機構が2段になっている[回転台の中心軸(6枚歯)が,
下段の同様な遊星歯車に回転を伝える]ので,
(1/8)^2=1/64だけ減速することになります.
遊星歯車では入力の回転軸と出力の回転軸は同一線上にあります.

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前号の補足
■今年の米国大統領選の予測はずれ
米大統領選は,1票でも得票が多かった陣営がその州の選挙人を総取りするシステム
(実質的に州が一人区)なので,ゲリマンダー状態を起こし,効率的に票獲得をすれば,
少ない総獲得票数でも,選挙人数で逆転が可能です.そのため事前予測では,
各州の得票数にある少しの不確定さが非線形に増幅され,それらが積み重なる傾向があります.
今回,大方の予想は,クリントンがトランプに選挙人で70人近い差で圧勝と報じました.
しかし,結果は逆でした.ただし,総獲得票数は拮抗(反ってクリントンの方が若干多い)しています.
支持率世論調査の全米平均値では,ほぼ正しく予測したものの,州によっては大きく外れ,
これが獲得選挙人の数の大逆転を起こした原因です.
正しくランダム・サンプリングが出来なかったのは,生産拠点の国外流出で労働者,
黒人層に移動混乱があるミシガン州(すたれたベルト地帯)などで,
その層のサンプルが少なく母集団の構成比が反映されなかったことがあると思われます.
また,ほとんどのメディアが,クリントン支持を意図的に流し,世論誘導をしたので,
これが隠れトランプ支持を生み,正しいサンプリングにならなかったのも原因の一つです.
世論調査には数学的に批判されるべき問題がかなり存在するようです.

(注)ゲリマンダー(wikipediaより引用)
1812年,アメリカ合衆国マサチューセッツ州の当時の知事エルブリッジ・ゲリーが,
自分の所属する政党に有利なように選挙区を区割りした結果,幾つかの選挙区の形が奇妙なものとなった.
そのうちのひとつがサラマンダーの形をしていたことから,ゲリーとサラマンダーを合わせた造語・ゲリマンダーが生まれた.
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/63/The_Gerry-Mander.png/330px-The_Gerry-Mander.png