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そろばんと脳★

この記事は数を記憶する方法 https://note.com/sgk2005/n/n15dcfd723999 の続編です.

藤井聡太君の活躍はすごいですね.彼の頭には自分の棋譜はもちろんのこと数多くの棋譜が記憶されており,盤面の映像として取り出せるのでしょう.2019年,5月19日の日本数学協会の講演会の一つに,田村聡子氏(大阪市公立小学校教諭)の講演「ソロバンを取り入れた算数」がありました.
今日の学校教育は,教科書からはみ出たことは一切できない,指導要領にないことは入る余地のない時代だそうです.そのうえ,ソロバン塾よりも公文に行ってしまう時代で,ソロバン教育はなかなか大変です.

私も小学生の頃,ソロバン塾に数か月通ったことはあります.たし算ひき算しか出来ない初級ですので,上級者の技には感嘆するばかりです.その脳の働き方は想像もつきません.
田村先生の話によると,数字がソロバン珠の配列パターンで見えるそうです.私も暗算の時はソロバンを見ていた方が楽ですので,その状態はなんとなく想像できます.

2014/06/10発行のメルマガ13号で,「数を記憶する方法」という英国のエッセイを紹介したことがありますが,3.141592...などの数字の列を,色彩豊かな色の列として見る人がいるそうです.
記憶術でも,こじつけのストーリをつくり,それを映像化して記憶するという方法があるそうです.どうも映像で覚えるのが決め手のようですね.私にはかえって面倒でその良さがわかりません.
日本語では語呂で覚えることはよくやります.英語の語呂合わせは日本語よりも面倒で,この点では日本語の方が有利なようです.

√5=2.2360679は「富士山麓オウム啼く」とやる方が,各数字を同じ韻を踏んでいる言葉と結び付け(例えば),oneワン=バンbun,twoトゥー=シューshoe,threeスリー=ツリーtree,fourフォー=ドォーdoor,.....などとやるより優れているでしょう.


■ソロバンの上級者は,数字でも英語のアルファベットでもピアノの楽譜でも,ソロバン珠の配列パターンで見えるそうです.ソロバンの上級者になると,英語にも音楽にもこの能力は役立つそうでうらやましい限りです.
読み上げ算や読み上げ暗算では,ものすごいスピードで読み上げるのを
聞き逃さず,聞き分け,記憶する.その集中力がすい.
試験会場の自分の座席とスピーカーの位置で,聞きやすい座席位置と聞きにくい座席位置があるそうですが,その違いが明瞭に出るほどの極限状態の集中力です.
場所は指定されているので始めは運ですが,間違った人が抜けて前に詰めるときは,聞きやすい場所を見抜ける人は皆,そこを狙っているそうです.
そろばんの頭の使い方と集中力はいろいろなことでも役立つでしょう.