2015年11月の記事一覧

メビウス(1850)の多面体万華鏡

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数学月間SGK通信 [2015.11.10] No.088
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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今日は楕円幾何の世界である球表面のタイル張りを万華鏡で見て見ましょう.
シュレフリーの記号{p,q}は正p多角形が頂点でq個集まってできる正多面体を表します.
例えば,{5,3}は正5角形が各頂点で3つ集まっている正多面体(正12面体)を表します.
球面{p,q}多面体の面は球面正p-多角形です.
1つの球面正p-多角形タイルを2p個の球面3角形(p,q,2)に分割しましょう.
図は球面{5,3}多面体の例で,12個の面はすべて球面正5角形(黄色のタイル)から成ります.
1つの面は10個の球面三角形(5,3,2)(赤色タイル)に分割できます.
(注)3角形(p,q,2)とは,内角が(π/p,π/q,π/2)の直角3角形のことです.
球面幾何の世界では,直線は大円.球面正p-角形や球面3角形の辺はすべてこの世界の直線ですから,
大円です.球面三角形(5,3,2)の内角は,(π/5,π/3.π/2)で,内角の和は,(31/30)π>π とπを越しますが
楕円幾何の世界だからです(ユークリッド幾何の世界では3角形の内角の和はπ).
ユークリッド平面では{5,3}は隙間ができタイル張りにならないが,
球表面ではタイル張りができ,これをユークリッド幾何の世界で見ると立体になります.
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/568613/51/17096451/img_1_m?1447081624
球面3角形(p,q,2)の各辺を中心から見込む平面を鏡として,3枚鏡(△OHK,△OKA,△OAH)の万華鏡を作り,
球面3角形(p,q,2)の外側から覗きこむと,球面{p,q}多面体が見えます.
以下に{5,3}多面体用の万華鏡の作り方を掲載します.
http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/568613/51/17096451/img_3_m?1447081624
(注)青色の3枚の3角形鏡(ただし,頂点Oの周りは半径2.5の円弧を切り取る)を組み立てる.図中の数字は長さ.

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