2018年9月の記事一覧

7月予定

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数学月間SGK通信 [2018.07.02] No.226
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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暑い日が続きます.皆様お変わりありませんか.
夏休みは数学月間(7/22-8/22)の季節です.毎年,月間初日の7/22に
数学月間懇話会を実施して来ましたが,今年は1月遅れの8/22に実施します.
どうぞお気軽にご参加ください.
■7月の予定
このメルマガの届く7月2日朝は,娘のボトルシップの個展を見にイギリス,サンダーランドに出発の日です.
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10216317238867252&set=a.1776604738559.2105958.1342581912&type=3&theater

サンダーランドでは帆船レースもあります.

 

 

 

 

 


その後,イギリス国内を旅行します.そのため,インターネットのアクセスポイントが確保できない場合もあり,7月のメルマガ残り4回は発行できないかも知れません.その時はお許しください.
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■今年のとっとりサイエンスワールドは:鳥取(7/29),米子(8/5),倉吉(9/2)です.7/29,8/5の材料は発送しましたが,私が参加できるのは9/2の回です.
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■数学月間懇話会(第14回)のお知らせ
●場所:東大駒場キャンバス,数理科学研究科・002号教室
●日時:2018年8月22日,14:00-17:00
●参加費無料.直接会場にお出で下さい.
●主催:数学月間の会,日本数学協会
●問い合わせ:sgktani@gmail.com
●プログラム:
1.企業での数学活用の実際,渡邉好夫(リコーICT研究所AI応用研究センター,技術顧問)
2.エントロピーと対数,対称性,宮原恒昱(首都大学東京名誉教授・客員教授)
3.パズル玩具と数学の接点-「解ければ終わり」ではもったいない,秋山久義(数学遊戯研究家)
●17:30より構内カフェテリアにて懇親会(飲食は各自払い)
皆さんのご参加をお待ちします.
今年は,例年(7月22日)とちがい8月22日です.ご注意ください!

■口上(企画意図)
(1)googleやamazonなどが典型ですが,色々なデータが収集され予測に使われているのは,皆さんも実感されていることでしょう.このビッグデータの時代に,企業もデータサイエンスに無関心ではいられません.
その一方,機器の設計では,動作原理のシミュレーションなどで物理に立脚した数学モデルが企業でも活躍します.数学が技術を支えているのが具体的に実感できるでしょう.

(2)天才ボルツマン(オーストリアの物理学者)の墓碑には,S=k・log(W)と刻まれているそうです.Sはエントロピー,Wは状態のとり得る”場合の数”,log(W)は”場合の数”の対数をとること,
kはボルツマン定数です.対数をとると,log(A・B)=log(A)+log(B) のように,積が和になり,”場合の数”の積は,エントロピーの和に対応させられます.
だからここに対数がでてくるのですね.ボルツマンは1906年自殺しました.
分子の実在も証明されない時代に,気体分子運動論,統計力学を築いた天才は受け入れられませんでした.あと1年頑張っていればよかったのですがね.

(3)パズルやマジックの多くは,数学に深いかかわりがあります.
試行錯誤して,答えが見つかればそれで終わりとするのが普通です.
でもそれでは勿体無い.正解が発見でき,本質に肉薄した所にいるのだから,
その奥にある数学原理が発見できるでしょう.2010年没のマーチン・ガードナーの著作が懐かしいですね,おいでになれば,珍しいパズルグッズにも触れることができます

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メルマガ再開

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数学月間SGK通信 [2018.08.07] No.227
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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暑いです.皆様お元気でしょうか.
このひと月に日本では色々なことが起こりました.
皆様の方では豪雨被害や台風被害は大丈夫だったでしょうか.
7月は私はひと月間お休みをいただきましたが,
お休み前のメルマガで予定をお話したように,
イギリス,サンダーランドの国立ガラスセンターで開催された,
ボトルシップ(ガラスの中のガラスの船)の綾子の個展と講演を聞きました.
アン王女もボトルシップの個展に訪問されましたので,
私はパパラッチのように写真を撮りました.
帆船レースは54隻が参加し,サンダーランドからデンマークまでの
レース1では,MIR(ミール=平和丸,ロシア)が1番だったようです.
およそ3日で横断します.
これらの詳細は,私のブログのイギリス旅行記3-6に書きました.
https://rdsig.yahoo.co.jp/blog/article/titlelink/RV=1/RU=aHR0cHM6Ly9ibG9ncy55YWhvby5jby5qcC90YW5pZHIvMTg2MTA0MjUuaHRtbA--
その後,イギリス各地を見学して回りましたので,
詳細はブログのイギリス旅行記の続編をご覧ください.
■お知らせ
とっとりサイエンスワールドは,9月2日のin倉吉を残すのみとなりました(私は参加します).
数学月間懇話会(第14回)は,8月22日,14時から東大駒場で実施します.
興味深い講演が3つあります.お気軽にご参加ください.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真はイギリスで見聞した面白い形,セパタクロウのボールの形です.
このおもちゃは,サンダーランド博物館で売っていました.
6色のリングが組み合わさってできています.
リングを切ってばらして再組み立て直してみました.
思ったより樹脂が固くて編み難く扱いにくいです.
テープを編んでセパタクロウのボールを作った方が楽でした.
さて,このボールは,正5角形と正3角形からできており,
頂点のまわりに,3角形,5角形,3角形,5角形の順に集まっていますから
シュレフリ記号で[3,5,3,5]半正多面体です.この多面体には対称心があります.
点群は正12面体群の対称性です.
この模型自体が5回対称軸による色が保存される軌道からなり.正12面体には6本の5回軸がありますから,6色の軌道が組み合わさってできています.
5回回転軸は5色の循環と1色の保存と結び付き,3回回転軸は3色づつ2組の循環と結び付きます.

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クラッグサイドでの見聞★

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数学月間SGK通信 [2018.08.14] No.228
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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今回は,クラッグサイド城での見聞を紹介します.
クラッグサイドCragsideというのは,Nothunberland 国立公園内, Newcastleから北北西50kmの付近にあります.
アームストロングWilliamArmstrongの居城.アームストロング(1810-1900)はニューカッスル出身の発明家でアームストロング社を設立しました.
水力を動力とする回転機,クレーンの発明.アームストロング砲や戦艦造船事業です.
日露戦争時の戦艦,三笠など皆アームストロング社製です.金剛などの主砲もアームストロング社製.
日本は,弩級戦艦(ドレッドノート型)の造艦をイギリスから学ぶが,その後,超弩級の大和などを作るようになる.
日本の建艦技術の先生である.購入した戦艦の改装は何度か行われたが,装甲板にドリルの歯がたたず鋼材の硬さに舌を巻いたという話をどこかで読んだ記憶がある.

 

 

 

 

 

 


Cragside城の内部は,リフトを始め調理装置まで,さまざまな器具の動力に水力による回転が伝達されている.
自己の開発したメカ技術の実用化テスト場のようでもある.
クレーンで成功したのだが,建物にも動滑車を使ったメカが使われている.

 

 

 

 

 


アルキメデス螺旋(写真)は,水路の落差で螺旋軸を回転し水力発電機を回す.
あるいは螺旋軸を電力で逆転すれは揚水もできる.
実験室の展示には静電気発電や不思議な実験装置の展示があり面白い.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


■クラッグサイドCragsideで見たモザイク模様
これら(5つ)はすべて同じ対称性(P4mm)に分類されます.一般に壁紙模様の対称性(平面群)は17種類ありますが,クラッグサイドでは.P4mmの模様ばかりが使われていました.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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■訃報
数学月間設立に尽力された片瀬豊氏が,8月8日に亡くなりました.
通夜:8月18日,6時から
告別式:8月19日,11時から
いづれも,横浜港南台,くらしの友にて
(くらしの友の住所は)
神奈川県横浜市港南区港南台4丁目24-10

なお,8月22日の「数学月間懇話会(第14回)」は故人の遺志を引き継ぎ予定通り実施します.
場所:東大駒場キャンバス,数理科学研究科・002号教室
日時:2018年8月22日,14:00-17:00
参加費無料
1.企業での数学活用の実際,渡邉好夫(リコーICT研究所AI応用研究センター,技術顧問)
2.エントロピーと対数,対称性,宮原恒昱(首都大学東京名誉教授・客員教授)
3.パズル玩具と数学の接点-「解ければ終わり」ではもったいない,秋山久義(数学遊戯研究家)
いずれも問い合わせ先:sgktani@gmail.com

 

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多面体の見える万華鏡

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数学月間SGK通信 [2018.08.21] No.229
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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参考

9月2日は,とっとりサイエンスワールドin倉吉(未来中心にて)に行きます.
今年の万華鏡は,去年のものより少し高級になり3枚鏡です.
きれいですよ.お近くの方どうぞご参加ください.

今日の話題は,多面体の見える万華鏡です.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 reciprocalという言葉があります.経済などでは,互恵的とか対等とかいう意味で使われます.
結晶学では,結晶格子crystal latticeに対して,逆格子のことをreciprocal latticeといいます.
両者の関係は,多面体でいうと,面を頂点に,頂点を面に変換した多面体
(これを双対dualな多面体という)の関係と同じです.

例えば,シリコンの結晶格子は面心格子で,ディリクレ胞を描くと菱形12面体です.
シリコンの逆格子は体心格子で,ディリクレ胞を描くと{6,6,4}半正多面体,いわゆるケルビン立体です.
結晶格子中のデリクレ胞と逆格子中のデリクレ胞は,このように互いに双対です.
格子に対して逆格子reciprocal latticeとはうまく名付けたものです.
もちろん,対称性はどちらも同じ,正6面体の対称性です.
作製した万華鏡は,左から覗くと菱形12面体が,右から覗くとケルビン立体が観察され,両者の対称性は同じであることを理解するのに役立ちます.

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フィボナッチ数列とミツバチ

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数学月間SGK通信 [2018.08.28] No.230
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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今年の夏は特別暑いですね.皆様お元気でしょうか.
7,8月は超過密なスケジュールでしたが,何とか乗り切れそうです.
8月22日の数学月間懇話会(第14回)は,お陰様で無事実施できました.
残るは9月2日のとっとりサイエンスワールドin倉吉(未来中心)です.
お近くの方,ぜひご参加ください.私は万華鏡で参加します.
今年の万華鏡は,ちょっと見ると昨年と同じと思う人もいそうですが,
実は3枚鏡に進化しているのです.今年の万華鏡を作れば,昨年より
ずいぶんきれいな映像であることがわかるでしょう.
このようなタイプ(ブリュースタ)の万華鏡は,これでゴールです.
来年の万華鏡からは,多面体万華鏡のシリーズに変えたいと思っています.
ぜひ,今年の万華鏡を作りに来てください.

ひまわりの花の中心の種の部分や,松ぼっくりを裏から見ると
時計回りの螺旋と反時計回りの螺旋が見えるでしょう.
それらの螺旋の数は,隣り合うフィボナッチ数であることが知られています.
今日は,フィボナッチ数の話です.

オスのミツバチは未受精卵から生まれ,メスのミツバチは受精卵から生まれるそうです.だから,オスのミツバチには母親しかいません.メスのミツバチには母親と父親がいます.
いま,1つのオスのミツバチに注目して,このミツバチの祖先が何匹になるか,
世代ごとに遡ってみましょう.
原点になるオスのミツバチを世代1とします.
遡って,世代nのミツバチの数を(a(n),b(n),t(n))と表記しましょう.
a(n)はメスのミツバチ数,b(n)はオスのミツバチ数,t(n)はミツバチ総数です.
世代1では,オスのミツバチ1匹なので,
(a(1)=0,b(1)=1,t(1)=1)です.
オスのミツバチには母親しかいませんから
親の世代(世代2)では,(a(2)=1, b(2)=0, t(2)=1)になり,
さらに遡り祖父母の世代(世代3)で,メスのミツバチ1匹が生れたのだから,
(a(3)=1,b(3)=1,t(3)=2) です.
この調子で遡っていきます:
いつも次の関係が成り立つことがわかるでしょう.
a(n-1)=b(n)
a(n-1)+b(n-1)=a(n)
t(n)=a(n)+b(n)

これらの関係を整理して,
a(n-1)+b(n-1)=a(n-1)+a(n-2)=a(n)
t(n)=a(n)+b(n)=a(n)+a(n-1)=a(n+1)
が得られます.
これは,メスのミツバチの数は,世代を遡るとフィボナッチ数列で増大する
ことを示しています.
n世代のミツバチ数は,一つ遡ったn+1世代のメスのミツバチ数と同じとも言えます.

1世代から遡って8世代まで,ミツバチ総数t(n)を並べて見ましょう.
 1,1,2,3,5,8,13,21,....
これはフィボナッチ数列です.

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