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美術・図工 万華鏡の原理(1)★

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数学月間SGK通信 [2014.12.30] No.044
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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今年もあと2日になりました.私は部屋の大整理掃除で3日間も満足にパソコンを開けません.
皆様には,よい年末でありますように.そして良い年をお迎えください.来年もよろしく.

クバンチックの問題は如何でした.私が一番好きなのは,第2問のビリヤードの問題です.
この問題に関する連想考察は,近いうちにぜひ書きたいと思っています.

さて,私は毎年「とっとりサイエンスワールド」で万華鏡のワークショップをやらせてもらっています.
正月まもなく(1月16日,PM3~)多摩センターでも開催しますので,お近くの方はご参加下さい.
詳細は,sgktani@gmail.com にお問い合わせください.
これからメルマガでも,万華鏡の数学について何回か連載するつもりです.
ここで紹介する万華鏡のキットは,「その道の達人派遣事業」の時に開発し,
各地の学校を回り子供たちと作った万華鏡(当時は2種類)がもとで,
その後品種を増やしてできたものです.
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◆万華鏡の原理(1)
万華鏡は合わせ鏡の原理を使っていることはご存知ですね.fig1を見てください.
平行な合わせ鏡で挟まれた室(黄色)は1次元に無限に繰り返しています.
室内にある赤い物体もfig1に示したように繰り返します.
黄色い部屋の隣はその鏡像(左右が逆).合わせ鏡で挟まれた黄色い部屋を(黒),
隣の鏡像の部屋を(白)と思うと,黒白の帯(1次元の市松模様)ができますね.
今度は,合わせ鏡のなす角度を平行でなくθ°とすると,
市松模様の帯は直線ではなく円を描くように延びて行きます.
円の反対側で市松模様がうまくつながるためには,
黒白のペアの数が整数でなければならない.
これは360°/2θ°=n(整数)となります.これは,万華鏡の発明者
スコットランドの物理学者ブリュースターが1817年に提出した特許にあります.

FIg.1
以上の説明は2枚鏡の合わせ鏡でしたが,複数鏡の合わせ鏡でもできます.
3枚鏡の場合を考察しましょう.fig2には鏡が作る3角形の図です.
3角形の頂点で2枚の鏡が出会うわけですが,それぞれの頂点で,鏡のなす角度は
360°を偶数で割り切る角度である必要があります.3角形の3つの頂点で
この条件が満たされているなら3角形のタイルで平面が市松模様に張り尽くされます.

Fig.2
3つのどの頂点でも整数解を持つ場合は,平面をきれいに埋め尽くす市松模様ができます(3種類あります).
1つの頂点でも整数解にならない場合には,市松模様は乱れますが,これも万華鏡としては美しいものです.

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