koptsik-ch11-5

投稿日時: 02/03 システム管理者

対称性理論の限界.他の一般化. 
   紙数不足のため,近年生じた古典対称の他の一般化の詳細には,立ち入ることが出来ない.進歩の根幹的領域のみを列挙し,主要な研究文献リストを挙げるにとどめよう. 
   A.V.Shubnikov(А.В.Шубников)により,1945年に多重反対称(кратной антисимметрии)の概念,1960年に相似対称(симметрии подобия)の概念が提起された(図217).両概念とも,発展的に研究され,A.M.Zamorzaev( А.М.Заморзаев)とその門人(A.F.Palistrant,E.I.Sokolov,E.I.Galyarskii)により,対応する一般群(обобщенных групп)を導くに至った.これらの研究やN.V.Belov(Н.В.Белов)学派の研究により,反対称(антисимметрии),多重反対称(кратной антисимметрии),色対称(цветной симметрии)の概念は,対応する一般化群の形に統合された.色対称の概念は,Niggli,Wondraschek,Wittke,Van der Waerden, Burckhardt, Pawley, Mackay, Zamorzaevの研究(1959-1971)により,さらなる展開があった.一連の研究により,正規商でない古典部分群を含む色対称群を得る方法が指摘された. 
   Van derWaerden -Bruckhardtの群$$G^{(p)}$$は,3項記号$$G/H'/H$$で定義されるが,ここで古典群$$G \leftrightarrow G^{(p)}$$;指数$$p$$の部分群$$H' \subset G$$は,性質(色)$$i$$を保存している部分群$$H_{i}^{(p_{1})} \subset G^{(p)}$$に同型対応する;正規商$$H=G \cap G^{(p)}$$(古典部分群$$H \vartriangleleft G^{(p)}$$を作っている)は,すべての共役部分群(сопряжунных подгрупп)の共通部分(пересечением)によって決定される$$H= \cap gH'g^{-1}, g \in G$$.色群$$G^{(p)}=g_{1}H_{i}^{(p_{1})} \cup g_{2}^{(p)}H_{i}^{(p_{1})} \cup \ldots \cup g_{p}^{(p)}H_{i}^{(p_{1})}$$は,部分群$$H_{i}^{(p_{i})}$$を,剰余類(смежных классов)の代表系(системы представителей) $$G^{(p) \ast }=\left\{ g_{1},g_{2}, \ldots ,g_{p}^{(p)} \right\} $$による拡大で表現され,一般には群を成さないかもしれぬ;$$G^{(p)}$$に作用する長さ$$p$$の置換は,$$g_{i}$$に左から乗じたときには,左(または右)剰余類$$g_{k}H'$$を作る:
$$g_{i}^{(p)}=g_{i}p_{i}=p_{i}g_{i}, p_{i}=\left( \begin{array}{@{\,} cccc @{\, } }
g_{1}H' & g_{2}H' & \ldots & g_{p}H' \\[0mm]
g_{i}g_{1}H' & g_{i}g_{2}H' & \ldots & g_{i}g_{p}H'
\end{array} \right) $$
   (квазисимметрии P-symmetry)偽対称のZamorzaev群は,対応する図形の一般点が,それぞれ1色に塗られる場合には,今まで見てきた色群のすべての型を包含する.このようなすべての群$$G^{(p)}$$をその生成群$$G$$から,次の手段により導くことができる:
1)$$G/H \leftrightarrow P/Q$$となるような正規商$$H \vartriangleleft G$$と$$Q \vartriangleleft O$$(ただし,$$H=G^{(p)} \cap G=G^{ \ast }-G^{(p)}$$の古典的部分群.$$Q=G^{(p)} \cap P$$-色置換の部分群)を探す.
2) 同型$$G/H \leftrightarrow P/Q$$の確立と同型対応する剰余類$$gH \cdot \varepsilon Q$$の対積(попарным перемножением)を作る.
3) 得られた積を集める:$$G^{(p)}= \cup gH \cdot \varepsilon Q$$
   この説明枠外に,Wittke-Garrido色対称群と複素関数のEwald-Bienenstock対称群が存在する.これらの場合には,色変化の規則は,変換だけでなく,図形中の点の取り方にも依存する,すなわち,対応する色変換は局所的となる. 
   B.N.Delone(1959-1961)の一連の論文で,stereohedra стереоэдровの一般理論(空間の凸多面体выпуклые многогранникиへの正則分割правильных разбиенийの理論)が基本的に完成した.平面に対するこの理論は,よく知られたShubnikov-Laves定理に基づき,純トポロジー的に作られた;全部で46種のпланигоны planigonへの平面の分割разбиенияが導かれた.3次元空間のDirichlet stereohedra(第1 Brillouinゾーンに相当の完全な理論は),により,任意に与えられたFedorov群に対して,stereohedraを導出するアルゴリズムの課題に完成した.一般型のstereohedraに対しては,B.N.Deloneが一般定理を証明した: n次元Euclid空間Euclidean евклидоваを凸多面体выпуклые многогранники(完全に面を接するような)で規則的に分割するトポロジー的に異なった分割の数は任意のnに対して有限である.このとき,完全な面を接するという要請は,非常に重要である(Zamorzaev1965).
   多次元幾何空間の対称性課題は活発に進展中である.最低位系の4次元のFedorov群,全ての点群,4次元Bravais格子は導出が完了した(T.Roman,1962;C.Hermann,1949; A.Hurley,1951; A.Hurley & H.Wondratschek,1967; A.Mackay & G.Pawley,1963;A.Zamorzaev,1963;A.Zamorzaev & B.Tsekinovskii,1968; J.Neubuser, H.Wondratschek & R.Bulow, 1971;H.Wondratschek etal.,1969;N.Belov & T.Kuntsevich,1971 1970;Рыжиков,1971).Fedorov群を非Euclid空間で導びくことが開始された(Makarov,1968).
   次のモノグラフ(Faddeev & Kovalev(19611968),Miller & Love(1967),Zak, Casher, Gluck & Gur(1969),Bradley & Cracknell(1971))に,Fedorov空間群とShubnikov空間群の規約表現理論неприводимых представленийと共通表現理論corepresentations копретставленийが基本的に完成している.その結果は,対応する行列群の指標characters характеровの表として記述されている.
   アフィン変形の群の導出は,Viola(1904),Wulff(1909)により早くから着想され,Mikheev(1961),Nalivkin(1951),Dubov(1970),Zabolotnii(1973)によりさらに発展し,いわゆる(homology; групп гомологии)ホモロジー群,(curvilinear symmetry; групп кливолинейной симметрии)群の型となった.これらの群(色群と同型)の導出は,まだ終わっていないとはいえ, E.S.Fedorovによる結晶学的限界(кристллографических пределов)の理論から広がったアフィン変形の概念は,結晶の動的対称性(динамической симметрии)の研究と古典群を動的群の時間平均とする解釈に道を開いた.(локально-аффинных)局所的なアフィン変換のモジュラー群は,幾何学的に非一様な物体(実際の結晶構造)の対称の解析で役立つであろう.
   以上は,最近の対称性理論の進歩のあった主要領域のいくつかを示したに過ぎない.我々のテーマ外にある多数の重要な結果には全く言及しなかった.ここで触れた問題のもっと完全なレビューは,Koptsik(1967), Zamorzaev(1970), Delone(1971)及び、群論とその応用の専門書に見られる.

   達成された具体的結果の豊富さと,現在も増大しつつある対称性理論の自然科学への応用と関連して,その限界に関する問題を提起するのは当を得ている.H.Weyl(1934,1952)により与えられた最も一般的定義によると,対称性理論は,数学及び物理学的対象の自己同型automorphisms автоморфизмовの理論-すなわち,自己変換群групп автоморфных преобразованийの理論と一致する.この基礎には,等価の公理аксиома равенства axiom of equivalenceが有る.これによると,第3のものと等しい2つのものは互いに等価である.或る対象を不変に保存する変換の集合は対称群を成すということの基礎が,ここにある.ここから生じる対称理論の応用の広いことと,その限界を知ることができる.なぜなら,自己同型変換は対象物間の等価эквивалентностиと順序порядкаのすべての関係を尽くしている訳ではないからだ.(この議論に関してはShreider(1971)の本を見よ)
   対称性理論のどのような一般化も,基本的な群公準を保っている;それらは,等価の概念を相対的等価というより広い概念で置きかえる方向に進化する.よく知られた群をその同型あるいは準同型表現,拡大により置き換えて,抽象群の具体化を探し,新しい自己同型を探す方向に進化する.このような探索の科学的価値を評価しながら,既知の対象物で,同値関係や新しい自己同型を見出すことは,より深い構造水準の研究になることを充分に語り尽くした.
   対称性理論の新しい発展は,半群(semigroups)の理論である(参照:レジメ).
対称理論の具体的応用に,最後の章を充てよう.