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球の表面積(立体の表面積が影の面積の4倍になること)★★

球の表面積は,球の半径をRとすると4πR2となることは,知っていると思います.

 

 

 

 

 

 

 

 球の表面を円周が2πRsinθ,幅がRdθの円環に細分し,これを0≦θ≦πで積分して球の全表面積4πR2が得られます.
$$\displaystyle \int_{0}^{\pi}2\pi Rsin\theta \cdot Rd\theta =4\pi R^{2}$$

πR2は,半径Rの球を射影した影(半径Rの円)の面積ですが,球の表面積は,なぜ影の4倍になるのでしょうか.

球表面の円環を球の断面円(赤道の断面)に射影すると,円環の円周の長さ2πRsinθは変わりませんが,幅はRcosθdθになります.上半球の円環をすべて断面円内に射影すると面積πR2の円を埋めます.πR2sin2θdθを0≦θ≦π/2で積分したπR2が得られます.$$\displaystyle \int_{0}^{\pi /2}\pi R^{2}sin2\theta d\theta =\pi R^{2}$$
確かに,球の表面積は,自分の影の4倍であることが計算されます.

■これは,球を包むシリンダーをスクリーンにして,下図のような射影しても説明できます.

 

 

 

 

 

 

 

 

球の表面の微小な面積(緯線と経線で囲まれた矩形)を,球を包むシリンダーのスクリーンに,地軸に垂直平面に沿って射影すると,投影された矩形の縦横の比は変わりますが,面積は変わりません.このことから,半径Rの球の表面積は,幅2R,周囲2πRの長方形(シリンダーの展開図)になり,その面積は4πR2になることがわかります.

 一般に,正多面体の表面積と影面積(方位平均をとったもの)の比は4のようです.正多面体の極限としての球の場合は,表面積と影面積の比が正確に4になります.

詳しくは3Blue1Brownをご覧ください. https://youtu.be/GNcFjFmqEc8

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