2018年2月の記事一覧

第4回数学月間勉強会予告

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数学月間SGK通信 [2018.02.13] No.206
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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大雪にならなければよいですね.日本海側の地域にお住いの方お大事に.
私は,今日から京都大学数理解析研究所の研究集会に参加します.
雪にならずに帰れるとよいですが,ちょっと心配です.
さて,数学月間勉強会の第4回を3月末実施の計画を進めています.確定しましたらアナウンスします.
4回目の内容は,群論の応用に関係のある群の表現の話です.
今日は,その入り口をちょと覗いて見ましょう(入口だけですので後日続編を載せます).
色々な電子デバイスは,結晶という舞台で起こる電子や光子のパフォーマンスを利用しています.
結晶という舞台で観測される色々な現象の対称性には,それが起こった舞台「結晶」の対称性が反映されているはずです.
この因果律は,Pierre Curieの原理(19894)と呼ばれます.
特性の対称性(点群)Gproperty ,結晶の対称性(点群)Gcrystal とすると,
 Gproperty⊃Gcrystal
因果律の心は,原因となる場(結晶)の対称性は,すべて結果(特性)に反映されなければならないが,
原因以上の対称性が結果に生じることは妨げないということです.実際に場(舞台)である結晶の対称性より,
その結晶で観測される特性の対称性か高いことは,色々な現象で観測されています.
例えば,結晶で起こるX線回折像の点群は,結晶構造の点群と対称心の直積になることはFriedel則として知られます.
さらに,このFriedel則以上にX線回折像の対称性が上昇する特殊な結晶構造があることも知られています.

■群の表現
有限群G={a,b,c,・・・・,z}の各元aに,複素数を成分とするn次正則行列D(a)を対応させ,
群Gの演算構造を行列の集合D={D(a),D(b),・・・,D(z)}の中で再現することを,群の表現と言います.
つまり,群Gの任意の2元a, bに対し,集合Dでも,D(ab)=D(a)D(b)が成立すれば,集合Dは群Gと準同型な群をなします.
異なるa,b∈Gに対して,D(a),D(b)∈Dも異なれば,GとDは(1:1対応)同型な群です.
異なるa,bも同じD(a)に対応させる(例えば,すべて1に対応させる)ような対応(準同型)でも,
D(ab)=D(a)D(b)が成立しますので群Gの表現です.
◆表現の基底
https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/res/blog-09-2d/tanidr/folder/572283/87/18415987/img_0_m?1518439242

ψ_iはf次元の列ベクトルの成分です.ψ_iに対称操作G_aが作用すると,
ψ_iの1次結合に変換されます.ここに現れるf×f次元行列Dを対称操作G_aの
行列表現と言い,列ベクトルψを表現の基底と言います.
このようにすると,群Gを行列の集合Dに対応させることができ,群Gは
行列を元とする群Dを扱う問題に変えることができます.
行列表現を,どの様にして何に使うかは,第4回勉強会のテーマですが,近いうちに続編掲載します.

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