美術・図工 美しい図形と不思議な空間・続

東京ジャーミイの礼拝ホール

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


  

 

 

 

 祭壇の方向(西)に向かって礼拝

東京ジャーミイは,東京,代々木上原にあります.トルコ文化センターも併設されています.
この地には,昔,ロシアカザン州から避難したトルコ人によりモスクが建てられていました.
私の子供の頃,近隣の者は「マジスト寺院」と呼んでいた風情のあるモスクでした.
老朽化のため1986年に取り壊され,東京トルコ人協会の人々が中心になり,
東京ジャーミイの建設が1998年から始まり2000年に完成しました.
トルコから送られた資材を用い,オスマントルコ様式で設計され,2階の礼拝場のドームが印象的です.仕上げにはトルコ人建築家や職人が100人もかかったそうです.
毎日礼拝が行われコーランの声が流れます.特に金曜日には300人以上のイスラムの人々が礼拝に訪れます.皆,西に向かって絨毯にすわり礼拝します.ステンドガラスに西日が入ると,青い光線が,青緑色のカーペットに重なり,とても美しい光で溢れます.
イスラム教は偶像崇拝をしません.幾何学的な完璧な規則で描かれた模様が
宇宙を作った神の原理を思わせるのでしょう.
スペイン,グラナダのアルハンブラ宮殿の,さまざまな幾何学的な繰り返し模様を
表現したタイルは美しいので有名ですが,ここ東京ジャーミイも東アジアでもっとも美しいモスクと言われます.ここで見られるいくつかの幾何学模様を取り上げ鑑賞しましょう.