月形の面積

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数学月間SGK通信 [2018.06.12] No.223
<<数学と社会の架け橋=数学月間>>
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練習問題
(左図)直角3角形の各辺上に半円形が描いてあります.これらの面積に以下の関係があります.青い半円+黄緑の半円=オレンジの半円
ピタゴラス(3平方)の定理,a^2+b^2=c^2 (a,bcは直角3角形の辺長で,cは斜辺)が成立するのだから,当然ですね.
(右図)青い月形+黄緑の月形=三角形の面積(ピンク)を証明しなさい.

 

 

 

 

 

 

 

 

■解説

 

 

 

 

 

 

 

 

直角3角形で成り立つピタゴラスの定理はa^2+b^2=c^2(ただし,cは斜辺の長さ).この関係を面積で表現すると,それぞれの辺を1辺として描いた正方形の面積の関係であることはご存知でしょう.今度は,それぞれの辺を直径とする半円を描いたものが左の図です.それぞれの半円の面積は,piを円周率とし,(pi/8)・a^2,(pi/8)・b^2,(pi/8)・c^2ですから,ピタゴラスの定理を各辺を直径とする半円の面歳の関係だと言ってもよいのです.ピタゴラスの定理は2乗和の関係で,2乗と言えば面積ですから,例えば,それぞれの辺の上に正3角形を描いて,それらの面積の間に成り立つのがピタゴラスの定理ということもできます.
さて,ピタゴラスの定理から,左図の半円の面積に関して,
青い半円+緑の半円=黄色の半円
が成立します.
右図をご覧ください.左図の黄色の半円は,右図でcは白い円の直径ですから,じっと見ると,ピンクの直角3角形が,この白い半円に入っていることがわかるでしょう.面積の関係は,青い半円+緑の半円=白い半円 です.
結局,青い半円と緑の半円と白い半円の巨通部分を減じると,
青い三日月+緑の三日月=ピンクの直角3角形
の関係が得られます.