結晶空間群で数学と物理を学ぼう(全4回) 谷 克彦

ネットワーク・パターンの対称性

有限図形の対称性を考えるとき,対称操作の不動点となる1点(特異点と呼ぶ)があります.例えば,正6角形の対称性を考えるとき,正6角形の中心がこの特異点で,この点を通過する回転対称軸が6回回転対称軸です.

次に,このような特異点は存在しないが,特異な直線を持つ図形,すなわち,棒状,片面帯,両面帯の図形について,その対称性をとりあげましょう.そのような特異な直線は図形の並進軸と一致します.

1つの点1と並進ベクトルaが与えられたら,図のように,A1と同価な点がaの間隔で一列に無限に並んでいる点系が得られます.この並進軸は特異な直線と一致しています.次の図は,平行でない並進軸が2本ある図形で,並進ベクトルにより1列に並んだ(1次元の)点系がbの方向に次々と繰り返し並び2次元の配列が得られます.3次元への拡張も同様で,平面上に乗らない3つの並進ベクトルで点を配置した無限数の点よりなる系です.点の形の対称性は∞です(点は位置だけを示し形や大きさは意味はありません).1つの点を並進で広げたものなのですべての点は同価です.ていてない並進軸が3本ある図形の考察である.これらの場合,互いに等価な並進軸である直線が無限に配列しているのを見るだろう.

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