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ストロー多面体の構造安定性

投稿日時: 2020/10/05 システム管理者


ストローと輪ゴムで凸多面体を作ります.
輪ゴムの働きは,結節点でストローの長さを変えないように固定しますが,ストロー間の角度は固定しません.つまり,このような構造を建築ではトラス構造と言います.

皆様の常識通り,2次元の多角形では,3角形は安定で,4角形は安定ではありません.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


多面体の面がすべて3角形で出来ていれば,変形しない多面体になりますが,1つでも3角形でない面(4角形や,5角形や,....)があると変形が起こる多面体になります.
例えば,以下の多面体は,すべて3角形の面で出来ているので安定です.

 

 

 

 

 

 

 

 

これらが安定なことは,皆様の経験通りで感覚的にわかるでしょう.オルルクは1つだけ4角形の面を含む以下の模型を提案しましたが,実験するとこれも変形してしまいました.

 

 

 

 

これらの事実は,力学的には常識で自明と思いますが,数学的には証明が必要で,自明なものほど証明は難しいものですが,コーシー&アレクサンドロフの定理が関係あります.

今回の記事は,KVANTIK,No3(2018)のDmitry Panov, Alexandra Pushkar, Dmitry Chebasov の記事を参考に作成しました.