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ピタゴラス数を楽しもう:竹内淳実(2021.1.25)

投稿日時: 01/26 システム管理者

はじめに

ピタゴラスの定理 「直角三角形の斜辺の長さの2乗は、他の2辺の長さの2乗の和に等しい」。
これを教わったのは中学2年の1学期、幾何の時間であった。黒板に先ず斜辺が水平に描かれる。そして直角を頂きにした三角形、そして各辺に正方形、Cの正方形各辺に内に向かって同形の三角形と続く、黒板に白墨が走り、よどみのない説明。あっという間に、図形での証明が終わった。

A²+B²=C²の、A,B,C、3数が整数であるもの ピタゴラス数、(3,4,5)を知り得たのもこの頃である。

 余談だが、私の中学2年は昭和19年、前年秋学徒出陣、そしてこの19年秋国民総動員令、一級上の3年生が工場などへ動員、登校しなくなった。我ら2年生は翌20年3月2学年修業翌日から、一日の春休みも無く工場へ振り分けられた。そして8月15日を迎える。外地であったから学校は閉鎖、9月30日までの3学年在学証明書を頂いた。この様な事情で2学年の授業記憶が鮮明なのだろう。

 12年前、2008年7月「谷山豊さん没後50年にあたって」上野正先生の講話、「谷山の問題」が解ければ「フェルマーの定理」の証明になると言うことで、先ずピタゴラス数解法の 一般式 (n²―m²)²+(2mn)²=(n²+m²) から入られた。お話を伺いながら、中学での代数の時間が蘇った。

A²―B²=(A―B)(A―B)。ピタゴラス式の+をーに置き換えたかたちである。

ピタゴラスの式 A²+B²=C²、 これをA²=C²―B²、B²=C²―A²と置き換えれば、
A値から、或いはB値から他の2数は容易に求めうる。

 このようにしてピタゴラス数を集め楽しんでいると、他の考え事で疲れた頭脳が蘇る。30分~1時間程度この簡単な計算を遊び心で試してみませんか。問題は無限にあり、容易に選ぶことが出来る。遊び方の参考までに

1)     A値から求める方法

2)     B値から求める方法

3)     その応用として直方体の各辺と各面の斜線が整数であるもの。

4)     C値から求める方法

に就いて纏めてみた。

そして、A²+B²=C²、Aは奇数、Bは偶数、互いに素として

1.     A値は3≦の総ての奇数で成り立つ

2.     B値は4を含め総ての4の倍数で成り立つ。

3.     C値は、60進法の規律に従い、全奇数の3分の1に満たない。

  

1.  A値を基準にピタゴラス数を並べる

A²=C²―B²=(C―B)(C+B)の式より

3²=1x9であるからC -B=1,C+B=9として、C=5,B=4が求められる(3,4,5)と表記する。以下同様にして、

5²=1x25より C―B=1,C+B=25       (5,12,13)

7²=1x49    C―B=1,C+B=49       (7,24、25)

9²=1x81    C―B=1,C+B=81      (9,40、41)

9は3²であるから(3,4,5)より、共約数3を含む(9,12,15)もある。

11²=1x121   C―B=1,C+B=121      (11,60、61)

13²=1x169   C―B=1,C+B=169      (13,84,85)

15²=1x225=9x25 より2解、

         C―B=1、C+B=225     (15,112,113)

         C―B=9,C+B=25      (15,8,17)が得られ、

共約数を含む(15、20,25)(15,36,39)もあること勿論である。

17²=1x289    C-B=1,C+B=289      (17,144,145)

19²=1x361    C―B=1,C+B=361      (19,180、181)

このようにして、A≧3の全奇数でピタゴラス数を見いだせる。

3素数の積、105=3x5x7では

105²=1x11025=9x1225=25x441=49x225より

(105,5512,5513)(105,608,617)(105,208,233)(105,88,137)

が得られ、また共約数3,5,7,15,21,35を含む9例のピタゴラス数もある。

 

2.  B値基準にピタゴラス数を求めるには
4=√2x2√2,8=√2x4√2,12=3x√2x2√2,16=√2x8√2、

20=5x√2x2√2・・・とすれば、A値同様に求められる。

4²=2x8、    C―B=2,C+B=8         (3,4,5)

8²=2x32、   C―B=2、C+B=32        (15,8,17)

12²=2x8x9   C―B=2,C+B=72        (35,12,37)

         C―B=8,C+B=18        (5,12,13)

16²=2x128   C―B=2,C+B=128        (63,16,65)
20²=25x2x8  C―B=2,C+B=200,       (99,20,101)

        C―B=8,C+B=50         (21,20,29)

 

ここまでの楽しみ方のコツ。2桁までは素数、非素数の見分けは容易であろう。3桁でも3,5,7,11,13,17,19,23,29,31まで当たれば判別できるが、それ以上では息切れしよう。むしろ積極的に、素数を掛け合わせて4桁、5桁の数を楽しんでもよい。

b値の場合は、先ず4で割り、累乗数を確かめる。

 

3.直方体のピタゴラス数

直方体の三辺と側面の三つの対角線全部の長さが整数であるもの、三辺A, B, Cとして

A²+B²=E²、B²+C²=F²、C²+A²=G²総てが整数であるもの、オイラーが発見したといわれるのが(117,240,267)(240,44、244)(44,117,125)である。

この解はA=117=3²x13のピタゴラス数、3,9,13,39の共約数あるもの(ゴシック表示)を含めて

(117,6844,6845)(117、44,125)(117、156,195)(117,520,533)

(117,756,765)(117,2280,2283)(117,240,267)より

(44,240,244)を見出したのであろう。同様にして

A=187=11・17より (187,1020、1037)(1020,1584,1884)(1584,187,1595)   

A=195=3・5・13より(195,748,773)(748,6336,6380)(6336,195,6339)

A=275=5²・11より (275,240,365)(240,252,348)(252,275,373)

と得られる。

A<1000の範囲であと幾つ見つかるだろうか。この問題は日数かけて少しずつ計算を積み重ねて楽しむこと。

   

4.C値基準にピタゴラス数を探す。

 (A,B,C)のC値よりピタゴラス数を求める簡易式は見当たらない。

m>nは、奇数偶数の組み合わせとして

 (m²+n²)²―(m²―n²)²=4m²n²=(2nm)²から、ピタゴラス数を導く一般式 (m²―n²)²+(2mn)²=(m²+n²)² 

即ちm²―n²=A, 2mn=B, m²+n²=Cが得られる。

これを用いて C値とそのピタゴラス数を求めると

 ―――              6²+5²=61    (11,60,61)

2²+1²=5    (3,4,5)  8²+1²=7²+4²=65     (63,16,65)(33,56,65)

3²+2²=13   (5,12,13)   8²+3²=73    (55,48,73) 

4²+1²=17   (15,8,17)       ―――

4²+3²=25  (7,24,25) 9²+2²=7²+6²=85    (77,36,85)(13,84,85)

5²+2²=29   (21,20,29)   8²+5²=89    (39,80,89) 

6²+1²=37   (35,12,37)   9²+4²=97    (65,72,97)

5²+4²=41   (9,40,41)   10²+1²=101   (99,20,101)

  ―――             10²+3²=109   (91,60,109)

7²+2²=53   (45,28,53)   8²+7²=113   (15,112,113)

左列はC<60,右列は61≦C<120の全C値である。右列の数より60を差し引くと、左列の数と一致する。C<60での欠番は1と49=7²であり、61≦C<120での欠番は77=7x11のみ。

C値、即ち(m²+n²)は60進法で大変理解しやすく、奇数(1,5,13,17,25,37,41,49,53)に

60P(Pは整数)を加算したものに限られ、その中より素数がC値でないものの倍数は除外される。
また25=5²、65=5x13,85=5x17のように、C値となった素数の累乗値、素数同士の積は総てC値となる。

5²=25,13²=49+60x2,17²=49+60x4,13x17=41+60x3, 29x37=53+60x17, 41x53=13+60x36のように。

ここに120以下の素数(1を除く)を、C値と C値以外とに分けて列挙する。

C値:  5,13,17,29,37,41,53,61,73,89,97,101,109,113

非C値:3,7,11,19,23,31,43,47,59,67,71,79,83,103,107,119

また別表「C値、 60進法による整理」に60x84までのC値を記載した。

 

65=5x13, 85=5x17 など2素数の積では、2解が得られる。この基本解の他に、共約数を含む付随解(39,52,65)(25,40、65)、(51,68,85)

(75,40,85)があることも注目しよう。

C値が3素数の積であれば、基本解4解と付随解9解、C値が4素数の積であれば、基本解8解と付随解32解となり、C値を共有してこれら三角形を重ね合わせると、C値を直径とした半円周上に、40の直角三角形が連なる。

4素数の積として5x13x17x29=32045について例示する。

32045=179²+2²=178²+19²=173²+46²=166²+67²=163²+74²=

157²+86²=142²+109²=131²+122²

基本解

(32037、716、32045)(31323、6764、32045)(27813、15916、32045)

(23067、22244、32045)(21093、24124、32045)(17253、27004、32045)

(8283、30956、32045)(2277、31964、32045)

付随解

(19227、25636、32045)(12325、29580、32045)(28275、15080、32045)

(23205、22100、32045)(31059、7888、32045)(16269、27608、32045)

(29029、13572、32045)(4901、31668、32045)(3757、31824、32045)

(31603、5304、32045)(24795、20300、32045)(3045、31900、32045)

(11475、29920、32045)(29325、12920、32045)(30875,8580、32045)

(10075、30420、32045)(1363、32016、32045)(23693、21576、32045)

(27349、16704、32045)(31117、7656、32045)(30821、8772、32045)

(27931、15708、32045)(17051、27132、32045)(7259、31212、32045)

(30381、10192、32045)(25389、19552、32045)(18291、26312、32045)

(11661、29848、32045)(31955、2400、32045)(24205、21000、32045)

(19795、25200、32045)(3955、31800、32045)

今回、ここで終える。次回「ピタゴラス4数」と遊びたい。    以上

ピタゴラス数C値,60進法による整理 に続く